1 当企業団の取組

 地球温暖化対策の推進に関する法律第21条第1項に基づき、令和3年10月に国が改定した「地球温暖化対策計画」を踏まえ、福岡地区水道企業団地球温暖化対策実行計画(以下「福水企実行計画」という。)を令和5年12月に策定し、当企業団が実施している事務及び事業に関して、省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入等の取組を推進し、温室効果ガス排出量削減(「緩和策」)に最大限取り組んでいます。

 また、地球温暖化に起因してすでに発生している、あるいは将来予測される気候変動による被害の回避・軽減策(「適応策」)についても福水企実行計画で定めています。

2 福水企実行計画の概要

(1)基本的事項

 ・対象とする範囲

当企業団の全ての事務・事業

 

 ・対象とする温室効果ガスの種類

二酸化炭素

 

 ・計画期間

2023年度から2030年度末までの8年間

 

(2)緩和策

  温室効果ガスの排出量については、目標年度(2030年度)に、基準年度(2013年度)比で50%削減することを目標としています。

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 具体的な取組としては、省エネルギー化の推進、再生可能エネルギーの導入や、脱ガソリン車の導入検討などを行っています。

 再生可能エネルギーの導入では、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの導入に積極的にチャレンジしていきます。

 

新たなチャレンジ(浸透圧発電)

 海水淡水化センターにおいて、日本初、世界でも2例目となる「浸透圧発電」という新技術を使った発電を行います。

 今後、浸透圧発電施設を実稼働しつつ、発電量や発電効率の検証を行います。

〇浸透圧とは

・水は濃度の薄いほうから濃いほうに移動し、同じ濃さになろうとします。

  この水の移動のことを「浸透」といい、水が移動しようとする力を「浸透圧」といいます。

・身近にある自然現象「漬物の原理」と同じ原理です。

 (大根に塩を振ると水分が抜けて、たくあんになるのも同じ)

〇浸透圧発電の原理

・濃度の違う濃縮海水と下水処理水を、「浸透膜」という水だけを通す特別な膜を挟んで触れ合わせることで、同じ濃度になろうと、水が移動する力、浸透圧が発生します。このとき、濃度の薄い下水処理水から、濃い濃縮海水側へ移動します。

・もともと流れていた濃縮海水と、移動してエネルギーを獲得した水が勢いよく水車に流れ込み、タービンをより多く回すことで発電量を増加させます。

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〇浸透圧発電のポイント

・排水という未利用資源から、新たな価値(エネルギー)を創出

①濃縮海水(海水淡水化センターから排出)と ②下水処理水(和白水処理センターから排出)、どちらも海に放流している2つの排水「未利用資源」を活用して、新たなエネルギーを生み出します。

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・高い稼働率

 太陽光発電と比べ、浸透圧発電は、日照時間に関係なく昼も夜も24時間稼働することができます。また、雨などの天候の影響も受けません。年間を通して効率的、安定的な発電が可能です。

 

〇想定発電規模

 今回の施設では、サッカーグラウンド約2面分の太陽光パネルに相当する発電をすることができると見込んでいます。

 

(3)適応策

 具体的な取組としては、渇水への適応と原水水質変化への適応を行っています。

 渇水への適応では、渇水時にも安定的に水道用水を供給するため、牛頸浄水場や海水淡水化施設の設備更新を計画的に実施し、施設能力を確保するとともに、構成団体との情報共有や渇水調整等のソフト対策を行っています。

 原水水質変化への適応では、近年の筑後川の原水水質の変化や今後の気候変動等に対応し、将来にわたり安全で良質な水道用水を供給するため、水質管理機能の強化に取り組んでいます。

水質管理機能の強化イメージ