福岡都市圏の水道用水の約3分の1は、筑後川の水ということをご存知ですか?
これは、企業団職員が福岡都市圏のみなさんと接する際に、よくお尋ねするフレーズですが、「知っています。」「ありがたいですね。」というお返事をいただくと、大変うれしく、ますます情報発信にも力が入ります。
地域内に一級河川を持たない福岡都市圏がこれまで発展することができたのは、「筑後川の水の恵み」と筑後川流域関係の皆様方の御理解、御協力のおかげと深く感謝申し上げます。
当企業団では、昭和58年11月の「江川・寺内ダム」による導水開始から、筑後川水系では昭和60年9月に「筑後大堰」、平成2年2月に「合所ダム」、平成14年度から多々良川水系の「鳴淵ダム」による供給を開始しました。平成17年6月からは、逼迫した水需要や渇水への対応策として、また筑後川水系に多くを依存する福岡都市圏の自助努力のひとつとして天候に左右されない海水淡水化施設「海の中道奈多海水淡水化センター」の運転を開始し、平成25年4月に「大山ダム」による供給を開始しました。その後、令和3年1月に「五ケ山ダム」が運用を開始し、長年にわたり行ってきた水源開発が完了いたしました。
これによって、維持管理の時代となり、施設の老朽化や気候変動、大規模地震など、様々なリスクへの備えがますます重要となっています。加えて、地球温暖化対策についても待ったなしの取り組みが求められる状況にあります。このような中、これからも当企業団では、企業団の使命である「安全で良質な水道用水を安定的に供給する」ため、職員が一丸となって、一層の経営の効率化に努めてまいります。
さて、当企業団は、令和5年6月に設立50周年、11月には用水供給開始40周年を迎えます。これを契機に、改めて、福岡都市圏の特殊な水事情について情報発信を行い、筑後川をはじめとした水源地への感謝の気持ちを水源地の皆様に届けることを目的に50周年事業を実施してまいります。
その事業の一つとして、この「企業団50年の歩み(福岡地区水道企業団設立50周年・用水供給開始40周年記念)」を暫定公開いたします。
今後は、令和5年度の事業活動を追加掲載し、令和6年3月に、改めて完成版として公開する予定です。今後とも、皆様方の御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年4月
福岡地区水道企業団 企業長 中村 貴久